【再掲載】映画「クラシコ」観てきた〜


サッカーライターの宇都宮徹壱さん主催の
徹マガライブ「クラシコ」緊急特別上映会へ
阿佐ヶ谷のロフトAまで



上映後には、来春3月からの全国公開に先駆けてという事で
樋本淳監督を迎えてのトークショーも行われました



解説(当日配布パンフより引用)
今、サッカーファンの間で密かなブームとして語られる【地域リーグ】を
日本で初めて撮ったドキュメンタリー映画クラシコ」が、遂に完成した。
日本国内のサッカーリーグは、プロである【Jリーグ】(J1,J2)を頂点に、
その下にアマチュアの全国リーグ【JFL】があり、【地域リーグ】は【JFL】の
さらに下のカテゴリーで、別名「4部」「J4」と呼ばれている。
全国9ブロックに分かれてリーグを戦い【JFL】への昇格を目指している。
本作では、その【地域リーグ】の中で最も激戦と言われている「北信越リーグ」の
信州ダービー”を取り上げ、長野と松本の歴史的な”因縁の対決(クラシコ)”と、
その選手たちを支えるサポーターたちの熱き闘いの日々を、一年間に渡って記録したドキュメンタリー。
「Jリーグ」に劣らない、彼らの圧倒的なエネルギーはどこから来るのか?


ここには、サッカーというスポーツを通して、地域に生きる老若男女が自らの郷土愛に目覚め、
自らの文化に誇りを持つ事で、活性化し、生き生きした姿が写し出されてゆく。
何もかも東京(中央)中心の考えになっている今だからこそ、日本の地域社会の”あるべき姿”が
ここにある!サッカーという素晴らしいスポーツに出会った人たちの夢中になる姿は、
時に人を感動させる力を持つ事を「クラシコ」は証明する


サッカーを通じて、その土地の歴史に横たわる”因縁の真実”とは?
果たして”信州ダービー”は決着するのか?


出演:AC長野バルセイロ、松本山雅FC
ナレーション:安めぐみ
監督:樋本淳
プロデューサ:平澤大輔



以下、トークライブでの監督や宇都宮さんのお話も交えて感想


クラシコ」というタイトルや「長野vs松本」というポスターの見出しや
解説に使用される「ダービー」と言う単語から連想される殺伐さや血生臭さを期待してたのですが
その様な部分は全く無くありませんでした(笑)


長野・松本の2チームを軸として上田や金沢も含めた「北信越リーグ」の1年間の闘いと
彼らを取り巻く人々を追ったドキュメンタリー作品


一つの映画作品としてみた場合、情報量の多さに対して、
編集や説明的なテロップの入れ方が適切とは思えない部分があるため、
話が飛躍的になり、途中で「今何の話だっけ?」と思わせてしまう箇所があるのが残念


長野・松本両市長や作家・丸山一昭氏による長野・松本の歴史的な関係の解説は判りやすく
この信州ダービーのバックボーンを理解するのに必須
特に丸山氏を探しだす事が出来たのは映画制作の上で非常に重要であったとは監督の談


信州大学の教授(お名前を失念…すみません)の
「実は日本で本物のダービーはこの信州ダービーしか存在し得ないんです」
との言葉に説得力を与える


期待してた(笑)殺伐さを感じないのは、取材対象が、松本はサポーターが主に対し
長野はクラブスタッフを主に対象としているためかと


この対象の違いは、監督の説明によると
・長野は行政や財界が支援して作られたクラブ
・松本は支援を受けられず、応援するサポーターから成り立つクラブ
この両チームの成り立ちの違いを表現したかったため、との事


映像上で取り上げられた時間は両チームほぼ同じ(監督談)なのに
視聴後、松本にシンパシーを感じてしまうのは
(熱い思いを語っていても)ある意味事務的な長野に対し
もろに人間味を出す松本サポーターと対比してしまうからであろうか…


ウルトラスの面々や居酒屋のマスターが酒を飲みながら語る
熱く無茶苦茶な言葉は微笑ましくも共感が持てる
マスターを評しての、宇都宮さんの「映画史上最高の酔っ払い」には
会場爆笑しつつも全員納得!



この2チームだけではなく
怪獣の着ぐるみで登場する金沢サポや
オープニングで登場する、豪雨の中、
仁王立ちでピッチを見つめる、たった5人の上田サポの映像は秀逸!


映し出される全てのサポーターの表情の美しさ
全国に地元のサッカーチームを愛する人がいる事を知り
一つのチームを見つめ続ける楽しさ
応援するチームのある幸せを感じる事の出来た貴重な時間でした



地域リーグ」というサッカーファンの中でも(まだ)マニアックなジャンルのため、
広く浅く感は否めませんが、
世界のサッカー界に今の日本を発信する上で、
また、数十年後、今を振り返る為にもサッカーファン必見のこの「カルトムービー」(宇都宮さん談)
来春3月から池袋を皮切りに全国順次公開決定
お勧めです!!!




実は、FC東京を応援している自分と東京ヴェルディというチームについて
考えるヒントを探しにこの映画を観に行ったのですが、
どうしてもお話をお聞きしたくなってイベント終了後、
バーフロアーで寛いでいらした樋本監督をお尋ねしました


・長野、松本の両チームは互いをどう思っているのでしょうか?
・彼らにとってダービーってなんですか?


突然の馬鹿な質問に、監督は丁寧に時間をかけてお答え下さいました
「この撮影を通して感じたのは、口では罵りあいながらも、互いを必要としていると言うことです
互いに切磋琢磨して、少しでも相手の上に行こうという事で成長できると知っています
そして、彼らの望むのは少しでも上のカテゴリーでダービーをする事なんです


僕は横浜マリノスのサポでした
フリューゲルスとのダービーも、そしてライバルの消滅も経験してきました
ライバルがいる。ダービーが出来るって事は本当に幸せな事だと思います」


樋本監督、素晴らしい映画をありがとうございましたm( __ __ )m


今日の1曲:Wiper by OGRE YOU ASSHOLE