映画観てきた〜 ブラック スワン

朝から土砂降り、台風来てるんだって
夕方から国分寺で「ポロリもあるよ水中フットサル大会」
やる前に観てきました(・◇・)


・ブラック スワン


ブラック スワン 予告


【ストーリー】
ニューヨーク・シティ・バレエ団に所属するバレリーナ、ニナ(ナタリー・ポートマン)は、踊りは完ぺきで優等生のような女性。芸術監督のトーマス(ヴァンサン・カッセル)は、花形のベス(ウィノナ・ライダー)を降板させ、新しい振り付けで新シーズンの「白鳥の湖」公演を行うことを決定する。そしてニナが次のプリマ・バレリーナに抜てきされるが、気品あふれる白鳥は心配ないものの、狡猾で官能的な黒鳥を演じることに不安があり……。


『レスラー』のダーレン・アロノフスキー監督と、『スター・ウォーズ』シリーズのナタリー・ポートマンがタッグを組んだ心理スリラー。内気なバレリーナが大役に抜てきされたプレッシャーから少しずつ心のバランスを崩していく様子を描く。芸術監督を演じるのは、フランスを代表する俳優ヴァンサン・カッセル。主人公のライバル・リリーを、『マックス・ペイン』のミラ・クニスが熱演する。プロ顔負けのダンスシーン同様、緻密(ちみつ)な心理描写に驚嘆する



【監督】ダーレン・アロノフスキー
【脚本】マーク・ヘイマン / アンドレス・ハインツ / ジョン・マクラフリン
【出演】ナタリー・ポートマン
    ヴァンサン・カッセル
    ミラ・クニス
    ウィノナ・ライダー 他



立川シネマシティの12時50分の回へ
大好評作という事もあって席も9割方埋まってました
年齢層はやや高め。というか10代の層はいなかったな〜
男女比はほぼ同数。カップル多目(#^ω^)おぢさんまた一人だも〜ん



タイトルから想像出来る通り、バレエの名作『白鳥の湖』をテーマにしたサイコスリラー
白鳥の湖といえば、オデット(白鳥)とオディール(黒鳥)は同じバレリーナが演じる事がお約束
清純で純情なオデットと妖艶で狡猾なオディールという正反対な役を演じ分けるには相当な技量が必要とか



ちょっと話はそれて、主演のナタリー・ポートマンについて
子供時代からCMモデルとして活躍しその後演技の世界へ転向
リュック・ベッソン監督の『レオン』での可憐な少女・マチルダを皮切りに
それ以来まさに『清純派女優』として活躍
ルックスも160cmの(アメリカ人としては)低身長・童顔
実生活においてもハーバード大学へ進学し6ヶ国語を操る才女


そして今作でのニナは、元バレエダンサーの母親に夢を託され英才教育の中育てられる
母子家庭の中で、母親は過干渉。おかげで交際する男性もおらずバレエのみに生きその技量は完璧


「純情・可憐・潔癖・清廉」と形容されるオデットを
「純情・可憐・潔癖・清廉」な役柄のニナが演じ
「純情・可憐・潔癖・清廉」な役者のナタリーがニナを演じるという3重構造に( ̄ー ̄)ニヤリッ


ここで先の話に戻すと、オデットとオディールを同一人物が演じるという事は
ニナにとっての挑戦であると同時に
ナタリーにとっても自らに冠された『清純派』という殻を破る大いなる挑戦となる作品であり
そして見事に演じきっている!


思い出せばアロノフスキー監督の前作レスラーも
ダメダメな男を(当時)ダメダメだったミッキーロークが演じ
見事なまでの役者としての変身を見せた成功作であった


アロノフスキー監督恐るべし!(;゚◇゚)
(まあこの2作、根底のテーマは一緒じゃねーか、とか言うなよ!絶対だぞw)



また、オデットのままのニナ、まさにオディールのリリー、2人が狙う(ある意味)王子のトーマス
という3人の関係の入れ子構造にも ( ̄ー ̄)ニヤリッ



話は、そんな純情なニナが自分とは正反対のオディールを演じなければならない事から狂っていく
役を演じているのか、自分が変わってしまっていくのか
次第に人格乖離を起こし始めるニナをサイコスリラータッチの描写で映し出していく
その演出・台詞・CG・撮影・音効は圧巻。必見です
(強いて言えば、ハンディカメラの映像は酔うんで控えめにして欲しいな〜なんて(^^;)



一部で話題になってますが、ニナがトーマスに出された課題を家でやるシーン
おぢさん大興奮!はなぢぶーですよ(*´Д`)ハァハァ
でもオチがホラータッチなのよねw



ラストへ向かってのダンスシーンの疾走感
見事黒鳥へと変身していくカタルシス
そして、彼女が引き換えにしたものと、彼女の満足感溢れるつぶやきに感涙


ナタリーポートマンの新たな一面を見ることの出来る
人間がダークサイドへ落ちていくサイコスリラーの傑作
とにかく面白いから観て!w
お勧めです!!!


(観終わった後、焼き鳥屋でとり皮食いたくなったのは俺だけでいいと思うんだ(・◇・)





余談になりますが、ちょっと面白いなと思ったので一つ論文を抜粋して紹介させて頂きます


バレエ「白鳥の湖」の研究 より

「悪魔ロットバルトがなぜオデットを白鳥にしたのか」という謎です。(中略)もっとも合理的な説明は,「オデットをはじめとする乙女たちが,そうなることを望んだ」というものです。

既に述べたように,悪魔は人間の悪魔的部分の擬似人格化であり,多くの物語では悪魔自身が悪業を行うのではなく,人間の悪魔的な望みを魂とひきかえにかなえてやる,という行動スタイルをとっています。したがって,オデットが心の奥底に秘めていた悪魔的な願いをロットバルトがかなえた結果が「白鳥の乙女」の誕生であったと考えてもおかしくありません。

今日の1曲:SWAN LAKE (Black Swan Pas de Deux) by New York City Ballet