映画観てきた〜 毎日かあさん

本年6本目は本日(2月5日)封切の毎日かあさん


<ネタばれ多分に含みます>


毎日かあさん



毎日かあさん 予告


【ストーリー】
二人の子育てに仕事にと忙しい日々を、持ち前のたくましさで乗り切る漫画家のサイバラ小泉今日子)。
元戦場カメラマンの夫(永瀬正敏)は戦場でのトラウマのせいでアルコールにおぼれ
二人は離婚することになる。
大切な家族を失い、アルコール依存症と闘う夫だったが、今度はガンが見つかり……。


漫画家の西原理恵子が自身の体験を基にした人気漫画を
小泉今日子永瀬正敏の共演で映画化したホームドラマ
一家を支える大黒柱の漫画家女性とアルコール依存症の元戦場カメラマンの夫
二人の子どもたちとの、一風変わった家族のエピソードをつづっていく。


【監督】小林聖太郎
【原作】西原理恵子
【脚本】真辺克彦
【出演】小泉今日子
    永瀬正敏 他




昼間お台場でテオ・ヤンセン展を見て
夜から蒲田で宴会の為、移動途中の品川プリンスシネマで観賞


封切初日の15時半からの回という事もあって
200席のうち8割方席も埋まり出足好調といった感じ


観客の大半が主婦年代の女性
子供連れのグループも多数
ほとんどの男性は「奥様に付き合って」といった雰囲気(笑)




西原理恵子さんのマンガ原作でテレ東でアニメ化もされてる
有名作品の実写化ということで内容に関してはストーリー通り


珍しく公開初日に行ったのは、ものすごくこの作品期待してたんですよ
昨年冬に夫の鴨志田さん原作の「酔いがさめたら、うちに帰ろう」を観て
ものすごく感動して、これは観なきゃと(笑)


で、結論から言うと「ハードル上げすぎた…orz」(爆)



フォローじゃないですが、良い話だし、良く出来た作品です
笑えるし、ほのぼの出来るし、ウルッとくるし…


ただ、全体が「なんとなく良い」で覆われてるんですよ
突っ込んだところが無いというか
揺さぶられる感情の振幅が小さいというか…


観終わった後、本屋で原作をちょっと立ち読みしたのですが
良くも悪くも、あくまでも「原作を実写化してみました」の域を出ないというか…
例えばマンガのト書きを小泉今日子のナレーションでやってるのもそのためでしょう



主役の小泉・永瀬の2人の演技は良いです!
公開前に2人が本当に元夫婦だったとか、話題先行してましたが関係ないです!
非常に熱の入った良い演技してます


物語上重要な役の祖母役の正司照枝や編集者の古田新太も良い味出してます


が、その他の脇で出てくる役者さんがことごとく役不足
柴田理恵大森南朋なんてビッグネーム出したら
それなりの役での仕事期待しちゃいますよ(笑)
別に彼らじゃなくていいんじゃないの?
むしろそちらに目が行っちゃう分画面上で邪魔(笑)
というか、監督がちゃんと演技演出出来てないんじゃないかな
「お任せします」とか言っちゃって…
アンサンブルとしては指揮取れてない感じ受けます


ただ遠山景織子にいたっては「頼む、演技してくれ。素人の方がマシ」レベルだったけど(´・ω・`)



脚本に関しては、全体的に台詞多目
それも「演技する→演技の説明的な台詞」のコンボが多数散見


一例を挙げると、カモシダが焼き鳥のタレを作るシーン
1、(アルコールを我慢出来なくなって)みりんのボトルを見つめて喉を鳴らす
 ↓
2、空になったみりんのボトルが床に転がる
 ↓
3、みりんのボトルの成分表示の「アルコール度数」の部分を接写
 ↓
4、場面展開して台詞で「みりん飲んじゃった♪」


(´・ω・`)2の段階で十分だろ…


(まあ、観客の反応は3の時にあちこちから「ああ!」って聞こえたので
 上から目線で言わせて頂けば、そういう表現も必要なのかな…と(^^;)



細かい部分をまとめて考えて行くと
全体的に小林聖太郎監督の力不足感は否めないです


キャスティング、脚本、演技指導、演出
どれをとっても「なんとなく」
いろんなものがコントロールできてない感じ
むしろ周りの意見に抗えないんじゃないかな〜
監督の主張が見えないと言うか…


そういえば、家族で初詣に行くシーン
神社の看板が2011年になってたのはギャグ?



以下ちょっとマニアックに「酔いがさめたら〜」との差分を


酔いがさめたらは夫婦間がメインに対して
毎日かあさんは母子+夫で話が進みます
極端に言えば作品中で描かれる夫は大きな子供扱い(笑)
原作の視点の違いを考えればこれは○


ガンの告知を受けるシーンで
酔いがさめたらは夫のみが受ける
毎日かあさんでは妻のみが受ける
これも視点の違いなのでしょうが、ちょっと面白いなと(笑)



決定的に違うのは、酔ったカモシダが家で大暴れするシーンで
サイバラの仕事部屋を荒らす時、机の上の原稿を
酔いがさめたらでは破く
毎日かあさんでは原稿に手が伸びるものの躊躇し破かない


酔いがさめたらでは、これが「決定的な破局」を象徴するシーンで
後の感動的なカモシダの独白へ繋がっていき、そこから夫婦や家族の再生のドラマが始っていくのですが
毎日かあさんでは破かない事で今まで通りの関係が「なんとなく」続いてしまう


まあ先に述べた全体感「なんとなく」がここでも守られるという…(苦笑)
おかげで物語の振幅も小さいまま、なんとなく安心して観てられるわけです(笑)
あーファミリー向け映画ばんざーい(∩´∀`)∩



なんとなく良い映画観たと思いたい方
「酔いがさめたら、うちに帰ろう」を観る前に観るのが
お勧めです!


(この作品の前に酔いがさめたら観てなければ!が1つ増えたかもねw)


今日の1曲:ケサラ〜CHE SARA〜 by 木村充揮